第86回 拡張アクセス権とカスタムAppの共有

おはようございます!エヌ・ケイ・カスタマイズの沖田です。
最近は寒い日が続きますね。今年はベンチプレスで100kg持ちたいという目標を持ちながらも、仕事から帰宅し、寒いのを理由になかなかジムに行けなかったのですが、昨日は「これじゃダメだ!」という気持ちになり、ジムに行ってきました。(もちろんコロナ対策はしております)
筋トレが終わったあとは、とてもすっきりした気持ちになりました。(体はすごく疲れましたが・・)

年々、歳も重ねてきて体力的にも衰えてきますので、体調にも気を付けつつ仕事にも取り組んでいきたいですね!

さて、過去3回におきまして、Claris FileMakerのセキュリティ設定について学んできました。引き続きセキュリティについて学んでいきます。今回は、表題にもある通り拡張アクセス権についてです。

以下の記事は、Claris FileMaker Master Book 初級編(バージョン 19 対応)より、
「15.6 拡張アクセス権(412ページ)~16.1 カスタムAppの共有(413ページ)」を元に掲載しています。

この文献から、カスタムAppを共有する設定や方法ついて学びました。文献の執筆者、関係者の方々に深謝いたします。

なお、このブログ記事の趣旨は、弊社所属スタッフの Claris FileMaker 学習の成果を公開することを目的とし、同時に、参考文献の内容の紹介に資するものであることを Claris International Inc. が確認しています。

Claris FileMaker 公式トレーニング教材

拡張アクセス権の設定

「拡張アクセス権」はファイルを共有する場合などに設定が必要です。

●表示方法
(1) [セキュリティの管理]ダイアログでの左下にある[詳細設定…]をクリックします。
(2) [詳細セキュリティ設定]ダイアログが表示されます。
(3) [拡張アクセス権]タブをクリックします。

拡張アクセス権の設定箇所

ファイル作成時に自動で作成されるのは以下の10 つです。(2022年2月9日時点)拡張アクセス権は、あるアクセス権セットでユーザに共有ファイルを開くことを許可するか、それともWeb ブラウザで表示することを許可するか、などのために使用します。
 ・fmwebdirect:Claris FileMaker WebDirect によるアクセス
 ・fmxdbc:ODBC/JDBC によるアクセス
 ・fmapp:Claris FileMaker ネットワークによるアクセス
 ・fmreauthenticate10:スリープ/バックグラウンドで指定した時間を経過した場合再認証を要求します。
 ・fmxml:XML Web 公開でのアクセス – FMS のみ
 ・fmphp:PHP Web 公開でのアクセス – FMS のみ
 ・fmextscriptaccess:Apple Event および ActiveX による Claris FileMaker 操作の実行を許可
 ・fmurlscript:URL による Claris FileMaker スクリプトの実行を許可
 ・fmrest:Claris FileMaker Data API でのアクセス
 ・fmodata:OData でのアクセス

特に重要なのは、ファイルを共有する場合に必要な「fmapp 拡張アクセス権」です。

カスタムApp の共有

現在、ほとんどの企業や事務所でネットワーク(ローカルエリアネットワーク LAN)を利用しています。ファイルをネットワーク上で開いて、複数人で利用することが「共有」です。ネットワーク上のどこかに置くだけではありません。機能を持ったアプリケーションでファイルを開いて「ホスト」し、ネットワークに接続されているコンピュータからホストされているファイルへ接続して使用することを「ネットワーク共有」と呼びます。

●Claris FileMaker Pro Advanced での共有
最初にファイルを開いたパソコンが「ホスト」となります。その後、ファイルに接続するパソコンやモバイルデバイスは「クライアント」となります。ですが、このClaris FileMaker Pro Advancedによる共有は、「廃止予定」の機能となっているため、この共有方法ではなく、Claris FileMaker Cloud やClaris FileMaker Server の共有を利用することを強くお勧めします。
Claris FileMaker Pro Advancedによる共有は、あくまでも、「テスト目的」にのみ使用してください。

Claris FileMaker Cloud / Claris FileMaker Server での共有
ファイルを「ホスト」して、ホストされているファイルに接続するパソコンやモバイルデバイスは「クライアント」となります。

みんなで1つ
共有されているファイルへ接続しているユーザは、同じファイルへ接続しています。しかし、1 つのファイルで複数のユーザがさまざまなことが可能です。例えば、2 人以上のユーザが別のレコードを同時に編集できるのです。
※よくエクセルで管理しているデータなどあると思いますが、これらは同時に複数人で編集することができないですよね。Claris FileMakerを使用すると、このような問題は解決することができます。

●必要な拡張アクセス権
共有されているファイルへ接続するためには以下の必要な拡張アクセス権があります。
 ・ fmapp拡張アクセス権
前述にて、
  特に重要なのは、ファイルを共有する場合に必要な「fmapp 拡張アクセス権」です。
と述べたのも、この機能にチェックをつけていないと、共有されているファイルへ接続できないからです。

●なぜ共有するか
共有は「データの一元管理」に最適です(共有の必要がなければ別ですが、複数で管理できるメリットはすごく大きいです)。

●ファイルサーバーとの違い
企業や事務所でネットワークを利用しているとネットワーク上のサーバーにファイルを置いているかもしれません(ファイルサーバー、共有サーバーなどと呼ばれていることもあります)。

このようなネットワーク上のサーバーに、カスタムApp を保存してClaris FileMaker Pro Advancedから開いて使う方法は、ファイル破損の原因になるのでおこなわないでください。

またNAS(Network Attached Storage)と呼ばれるネットワークに接続されているハードディスク上に、カスタムApp を保存して使う場合も同様です。

まとめ

今回は、拡張アクセス権とカスタムAppの共有について説明になりました。データの「一元管理」をするには、ファイルの共有が最適であり、そのためには、拡張アクセス権の設定が必要になります。
また、「一元管理」するということは、様々なデータが日々、新規で作成・更新・削除が繰り返し行われ、データの肥大化もされてきます。データが溜まりっぱなしだと、パソコンの容量を圧迫したり、速度にも影響を与えたりということも出てくることでしょう。これをを考慮しながらファイルを管理する必要が出てきます。
次回以降、実際に共有をするための準備をして、アップロードしていくところを学んでいきたいと思います。
よろしくお願いします。


参考文献:Claris FileMaker 公式トレーニング教材 から、「FileMaker Master Book 初級編」 等を参考にしています
https://content.claris.com/fmb19_reg-ja